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修理で復活!セーラームーンのコンパクト、壊れたスイッチを直してみた

当時物のセーラームーンの玩具『コズミックハートコンパクト(1994年製)』のジャンク品を入手し、それを修理してみました。

今回のジャンク品は、電源OK・開閉時の動作OKでしたが、中のボタンを押しても動作しませんでした。壊れていたのは、“タクトスイッチ”と呼ばれる部品です。

この記事では、修理での注意点やポイントを出来るだけ詳しく書いてみたいと思います。

  • 全ての機械に言えますが、分解するとメーカー保証が無くなります
  • 分解・修理・改造は全て自己責任でお願いします

 

 まずは動画をご覧いただきたい

今回の動画は、修理中の様子を撮影して、どのような手順で行ったのかをわかりやすくしてみました。

タクトスイッチを交換せずに復活させる方法なので、半田ごてが不要で、初心者でも比較的修理しやすい方法かと思います。(簡単…とは言い切れませんが)

とはいえ動画内での説明は簡素にはなっているので、ほんとは「ここはもっと○○にしたり、こう注意した方がいいのよね…」と詳しく伝えたい部分も多くありました。

動画は見やすく短めにしましたが、修理に興味ある方はブログを読んでもらう方が良いかなと思いました。

なので、動画で伝えきれなかった部分をブログでは説明をしていきます。

動画ページ

 

 分解・修理での各項目での説明

ハートの脚は折れやすいかも

動画の通り、ネジを外してコンパクトを分解していきます。分解前には必ず電池は抜いておきます

動画では、実は中央のハート型のメッキパーツの脚3箇所のうち1箇所が折れてしまいました。硬くハマりすぎていると、引っこ抜く時に折れるんですよね…。

脚が1本折れても修理に影響はありませんが、折れるのを気にされる方は慎重に引き抜くようにした方がいいかもしれません。

ゴムのカットでは怪我に注意

基板のネジを外すと、タクトスイッチを見やすい位置にズラすことができます。

リード線が他に繋がっているので、写真ぐらいの位置まで引っ張りだせたら、それ以上は引っ張らない方がいいです。

動画の通り、小さなゴムのような部分3箇所をカッターでカットします。ただし小さいし切るのが硬いので、誤って手を怪我しないように注意します。

もし小さめのニッパーをお持ちでしたら、それでカットすると安全に切れるかと思います。

スイッチのパーツは絶対失くさない

カット後は白い部分を少し浮かせて、ゆっくりと回転させます。

中央の黒いプラスチックを押し込みながら白い部分を動かすと、やりやすいかと思います。ですがこの時、黒いパーツが吹っ飛びやすいので注意です。

この黒いプラと下の円形金属は、どちらも紛失すると修理ができません

私は別の分解品からストックしたパーツを持っているので、予備はありますが…。作業する際は慎重に、できれば部屋は綺麗な状態で始める方が良いかと思います。

私はゴム1箇所を残して白い部分を回転させるやり方ですが、人によっては全てカットして外す方もいます。後者の方がプラ部分は飛んでいかないかと思います。

私が1箇所だけ残す理由は後半で説明します。

カーブが大事、錆は丁寧に落とす

円形金属は平たく見えるかもしれませんが、実は少しだけ中央が上がっていて、カーブがかかっているんです。

タクトスイッチを上から押した際、金属の音が鳴って平らになることで通電するようになり、手を離すとまた元の形に戻ります。タクトスイッチを押す度に、カチカチ音と感触があるのはこれですね。

なのでこのカーブは重要ですので、これを変形させずに優しく磨いて錆を落とすようにします。縁の部分は特に錆びていることが多いので、気を付けて磨きます。

接点復活スプレーで一石二鳥

タクトスイッチの脚は少し青錆のようなものが見えたので、磨いておきました。怪しければ取り合えず磨いておくと良いです。

スイッチ内部も綺麗そうに見えるかもしれませんが、ちょっと小さな錆が見えたので磨いておきました。

全ての錆を取ったのでもう通電するかと思いきや、まだ直ってなかったので、こちらを使用することにしました。


この接点復活スプレーは、接触の悪い部分に使用すると、驚くほど簡単に復活するという代物です。

例としては、USBなどの端子の差込口・イヤホンの差込口などの接触不良が直ったりと、日常での困り事も解決してくれるというものです。

まぁ“これを使えば必ず直る”というものではありませんが、Amazonでも高評価で、効果を実感する人のレビューが多いです。

この接点復活スプレーを、スイッチ内部にシュッと少しだけ吹き付けて、油分を軽く拭き取ります。この油分は通電を良くしてくれるだけでなく防錆効果あるので、まさに一石二鳥です。

これの使用後、タクトスイッチは上手く動作してくれました。

ホットボンドには理由がある

動画のように、タクトスイッチのパーツを元に戻して、動作確認をします。

無事に動作確認できたところで、スイッチを固定していきます。

ホットボンドを使用したのは、もしまた分解が必要になったら外せるようにするためです。

パーツが金属である以上、年月が経過するといつかはまた錆びる可能性があります。

普通の接着剤だとガッチリくっ付いてもう剥がせない…ということも起きますが、ホットボンドなら剥がそうと力を加えると、その形ごとポロッと剥がれてくれます。

不具合の度に修理できるように、先のことを考えてホットボンドを選びました。

最後の固定が一番難しいかも

私がゴム1箇所だけ残しておいたのは、白い部分の高さ基準が欲しかったからです。

仮組みで確認時は動作したのに、スイッチ固定後に全部組み立てたら動作しなくなった…というのは、気を付けないとよく起こりやすいです。この原因には様々あります。

  1. 白い部分と土台の距離が近すぎた
    ⇒ ボタンの押し心地がなく、カチカチ音が鳴らない
  2. 白い部分の位置が上すぎた
    ⇒ ボタンが全く動かず、カチカチ音が鳴らない
  3. ホットボンドが白い部分より上に盛り上がった
    ⇒ コンパクトの組み立てで、ケースが上手く閉まらない

①については、白い部分と土台には元々若干隙間があり、それが黒いプラが上下に動くスペースとなっています。それが無くなってしまうというものですね。

②については、逆に白い部分の位置が上すぎたり、変形での傾きで上すぎてしまうと、この上に乗る金色のボタンが動けず、スイッチ部分を押せなくなります。

③については、出っ張りすぎてコンパクト内に収まるのも難しくなるので、外して付け直す必要がでてきます。

とまぁ考えられることを挙げてみたのですが、スイッチの元の高さをキープして、他には干渉しないようにするには意外と難しいです。なので私は、その高さがわかるように1箇所だけ残し、それを基準に高さ合わせをしていたわけです。

全部カットしていても、高さ合わせは何度か調整していたら上手くいくかと思いますが、慣れていないと、少ししんどいかもです。分解前にスイッチ側面をスマホで撮影しておいて、それを見ながら高さを合わせるという手もあります。

最初に3箇所のみカットするか、4箇所全部カットしておくか…これは人によってやりやすさは違いますね。

メンテナンスで長持ちさせる

動作している開閉時のスイッチですが、今後動作しなくなる可能性があったので磨きました。

2本の銅板があり、その内側に突起が見えるかと思います。この部分が接することで動作する仕組みとなっています。

写真の通り、突起は黒いんですよね…。あと銅板もくすんだ感じの色をしていますね。

突起はもちろん全体を綺麗に磨きました。この時銅板は変形させずに、どちらも並行をキープするように丁寧に磨きます。

まぁもし少し曲がってしまっても、しなりのある板なので手で優しく戻したらまた平行に戻りますが、下手すると折れるかもしれないので注意です。

 

 錆び落としはどれがいいの?

修理手順で“錆を落とす”という項目が多いですが、“錆を何を使って落とすのか”で悩まれる方も多いかと思います。

これについては、具体的に「○○が良い」とは中々言い切れないのは、錆を落とす箇所によっては適切・不適切というのもあるからです。

使用箇所・方法についは考える必要はあるものの、錆び落としに使えるものをいくつか挙げてみたいと思います。

  1. メラニンスポンジ
  2. サンドペーパー(紙ヤスリ)
  3. コンパウンド
  4. 接点復活スプレー
  5. お酢(スーパーで売られている物)

磨いて出てきた汚れ・液体については、綿棒・小さくカットしたティッシュで拭き取ります。

①はそのままだと大きいので、小さく千切って、僅かな1,2滴ほどの水を染み込ませて、ピンセットで摘まんで磨くような感じです。

②は小さくカットしたペーパーを、ピンセットに巻き付けて磨くという方法です。粉が出やすいので、綺麗に拭きとります。

③は研磨剤が入っているので落とすこともできるのですが、細かいパーツだと最後に綺麗に拭き取るのが難しい場合もあります。

④はこの液を使って硬いヘラなどで磨くと、綺麗になるというのもあるのですが、フレキシケーブルや導電性ゴムには使えないので、用途はよく確認する必要があります。

⑤は家にあるもので使えますが、水分が含まれているのと、長く浸してしまうと金属によっては溶かしてしまうので、扱いは注意が必要です。

今回の修理では⑤を行っていますが、ヘラに僅かに液を絡ませて錆び部分を磨き、液を拭き取って状態チェック…というのを何度も繰り返しました。

どの方法もそうですが、やり方によっては修理どころか破壊してしまう可能性があります。自己責任のもと、適切な方法で丁寧な作業を行って下さい。

 

 プチ修理 ~宝石パーツ編~

セーラームーンの玩具は、中古だと宝石が剥がれ落ちていることが結構あるようです。そこで一応プチ修理も動画にしてみました。

使用したラインストーンは、オーロラ入りのクリアカラーでした。なので油性ペンで塗った後は傾き具合によって光ってましたね。油性ペンは厚塗りすると半透明を活かせないので、重ね塗りしないように気を付けました。

ラインストーン3つを重ね合わせるような感じで、楕円型を表現しました。下に台紙があるから、足りてない部分があっても楕円らしく見えます。

接着剤はGボンドクリアーを使用しました。固化した時も透明を維持してくれるので、今回のような部分には向いているかと思いました。

宝石パーツは型取りしてレジンで製作する方が、ほんとは綺麗に仕上がるはずです。なんとかそれ以外で方法はないかなと考えたのがコレでした。

丸いパーツなら代用品ありそうですが、この細長い楕円というのが、中々無いんですよね…。

とりあえず、何も付いてないより宝石らしいのが付いて良かったかなと。

 

 正常動作するようになって

この中古のコンパクト、所々傷があるとはいえ30年前のものとは思えない程、色褪せがなく綺麗めでしたね。前の持ち主の方は大切に保管されていたのでしょう。

この時代の玩具は金メッキがたくさん使用されていますね。

自作した宝石パーツの部分をじーっと見ると、「ん…?」と違和感がありますが、注目して見ない限りは、台紙のおかげでそんなに気にはならないです。

ボタンを押すと何度でも音が鳴る!

ちゃんと修理できたというのがわかるから嬉しいですね。

湿気など保管場所にもよりますが、同じ箇所の修理については、少なくとも今後10年ぐらいは何もしなくても大丈夫かと思います。

 

当時セーラームーンに憧れていた子供たち。今では親になっている方も多いでしょう。

せっかくまだ玩具を持っていたとしても、「今は壊れて動かないわ…」と思っている人がいるかもしれない。もし修理出来たら、当時を懐かしんだり、自分の子供にも動作の様子を見せてあげられるのかなと思いました。

 

 まとめ

コズミックハートコンパクトが製造から30年という節目に、修理方法を載せるのも誰かにお役に立てるかなと思い、今回は動画と記事にまとめてみました。

長文ではありますが、今まで修理をやってみての注意点を盛り込めたので、これを読んでもらえれば、理解してもらいやすい内容にはなったかなと思います。

せっかくの年代物の玩具。家で見つかったけど、使えないから捨てる…というのは勿体ないので、復活させて次の世代にも受け継いでもらえたら素敵だなと思います。

 


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