アンパンマン玩具のジャンク品を入手したので、それを修理してみました。
自販機のおもちゃは、最近のものはカラフルなLEDが搭載されているものがありますが、こちらは7年程前に発売された旧タイプのものです。
今回のジャンクの主な原因は、電池の液漏れによるものでした。
- 全ての機械に言えますが、分解するとメーカー保証が無くなります
- 分解・修理・改造は全て自己責任でお願いします
目次
まずは動画をご覧いただきたい
アンパンマンのおもちゃということで、今回は元気・明るい・可愛い感じをイメージしたBGMを選んでみました。
内部の構造については、中々面白い仕組みになっていました。“コインを入れた時にだけ、ジュースのレバーが動かせるようになるのはどうしてだろう…?”という疑問が、構造を見るとわかるんですね。
内部のボタン(ラバースイッチ)も、ブログには載せたことがあるけども動画にしていなかったものがあったので、今回こうして動画にまとめられて良かったかなと思います。
電池の液漏れはよく起きやすい
ブログで度々書いてきましたが、電池の液漏れはほんとよく起こりやすいなと思います。
おもちゃのジャンク理由としては、一番多いのがコレなのではないかなと。電池を入れたまま長期間置いておくと、次に電池ホルダーを見た際に電池から液漏れしてしまっているケースが多いんですよね。
電池の液漏れは、どれだけ漏れてしまっているか(内部が腐食されているか)によって、修理で直せるか直せないかが分かれます。
なお液漏れした箇所は、素手で触ることは危険ですので、手袋を付けて処理にあたるようにしましょう。念のためゴーグルも着用した方が安心です。
電池の液漏れ・各レベルでの対処法
軽度なもの(バネ端子の先端のみ)
バネ端子の先端のみが変色して少し錆びているものは、その錆を磨いて落とせば復活させられます。分解しなくても、見えている範囲を磨くだけで直せるタイプのものです。
少しの錆びというのは、若干曇ったような黒っぽいような色のことですが、もし白や青の液漏れが付着してしまっていても、ほんの少量であれば同じ方法で対処可能です。
紙ヤスリなどで磨くと錆が取れて、金属のキラッとした部分が露出するのでそれで通電が復活します。手で磨くのが難しい場合は、ピンセットなどに小さく切ったヤスリを巻いて磨くのもありです。
私はお酢を使って磨いたりもします。ヘラに少量付けて擦って磨いたりしますが、お酢も金属を溶かすので磨いてはすぐに拭き取り、磨き終わったらしっかり水分を取り除かないといけません。
磨く際はバネなどパーツが外れてしまわないように、力加減に注意しながら行います。磨いた後は接点復活スプレーを塗っておくと、保護されるので今後の錆も安心にはなります。
中等度なもの(バネ端子~リード線周辺まで)
バネ端子全体が錆びていたり、錆が奥まで続いていそうであれば、中等度~重度を疑います。分解してみてリード線周辺までなのであれば、中等度と判断できるので、直せる可能性は高まります。
バネ端子全体が錆びている場合は、リード線まで腐食して千切れてしまったり、リード線が錆びすぎて通電できていない可能性があります。その場合は、バネ端子を磨いて落とすか綺麗なものに交換し、リード線も新しいものに付け替えます。
リード線が錆びるということは内部へ腐食しているということなので、気化した成分が他のパーツにも影響が出ていることがあります。基板やスイッチ・スピーカーなどをチェックし、必要に応じて磨いたりパーツ交換を行います。
今回のジャンク品はこの中等度のものにあたります。
重度なもの(基板まで腐食)
基板にまで液漏れの広がり跡などが大きく残っている場合は、ほぼ直せない可能性が高くなります。
液漏れは金属類をボロボロにしてしまうので、核となる基盤がやられてしまうと、どうしようもなくなってしまいます。触っているうちにパーツ類が外れてしまったり、パターンが削れて剥げてしまったりして、自分の手でより壊してしまったりします。
この場合は残念ながら、修理を諦めるしかなくなります。
液漏れによるメッキ剥げ
メッキが多数使用されている玩具だと、その剥げ具合で分解前から液漏れしていることが判断できたりもします。液漏れで気化した成分は、メッキも剥がしてしまうからなんです。
子供が遊んで擦ってしまうメッキ剥げと、液漏れでのメッキ剥げは見た目が結構違います。液漏れによる剥げは、ごっそりとメッキが剥げてしまうんです。
昔のセーラームーンのおもちゃなどは、メッキがたくさん使用されているので、わかりやすいかと思います。でもごっそりメッキが剥げていても、分解してみれば修理できる液漏れの場合もあるので、中をチェックしてみないと中等度か重度は判断が難しいですね。
動画の補足説明
なぜか外せなかったネジ
動画では外せなかった2本のネジのシーンがありました。あれは不思議なネジだったんですよね…。
普通外せないネジといえば、錆びすぎて回らないネジ・なめって回せないネジなどが考えられますが、あの2本のネジはドライバー自体がネジに届かなかったんです。
他のネジ穴にはストンとドライバーは刺さるのに、あの2つの穴だけはなぜか奥までドライバーが届かなくて…。同じ直径のネジが使用されているはずなのに、ネジ穴が狭すぎてドライバーを押し込んでも届いていませんでした。
プラスチックが変形していたのか何なのか、理由はさっぱりわかりません。
もしかするとこの自販機のネジ穴だけが狭かっただけで、他の自販機のネジ穴は問題ないのかもしれませんが、とりあえず動画には外せなかったことを載せていました。
無理やりこじ開けるのは、変な裂け方をする可能性があったので怖かったのですが、なんとかうまく開けられたのでホッとしました。まぁ多少は左右下にダメージはあるものの、被害は最小限に済みました。
ジュースのレバーにはワックス
ジュースのレバーは壊れてませんが、埃や汚れが付着していたので一旦ネジを外して掃除をして締め直しました。
その際、動画には書いてませんでしたが、レバーのスライドでネジが触れる部分にはワックスが使用されていました。このワックスはできればあまり拭き取らない方がいいです。
これはレバーのスライドの滑りをよくするために使用されているので、これを綺麗に取り除いてしまうと、スムーズな動きがぎこちなくなってしまいます。これを拭き取りたい場合は、また新たなワックスを塗っておく必要があります。
代用品としてはメンソレータムの薬用リップがよいかな思います。まぁ無色のリップクリームだったらどれでもいいのですが、昔からある商品で値段も手ごろで手に入りやすいので。
使用頻度の高いものではありませんが、修理用の道具として工具箱に1本入れておくとちょっとした時に役立ったりします。
メンテナンスも兼ねて磨く
今回の液漏れは、液漏れの気化による影響もしくは湿度による問題かで銅板スイッチも錆びていたので、それも磨きました。
でもボタン(ラバースイッチ)の方は基板のパターンが錆びてませんでしたが、動画では軽く磨いていました。その理由は、分解したならついでに他のパーツも綺麗にしておけば、今後しばらくは長持ちしてくれるかなと思ったからです。
ラバースイッチも、湿度の影響でいつの間にか錆びてくることがあるんですよね。よく見てみると、錆びてないにしても少し曇っているようにも見えたので、念のため磨いたというわけです。
ラバースイッチのパターンを磨く際は、ゴシゴシするとメッキが剥げて壊してしまうので、優しく汚れを取り除くように磨きます。
バネ端子は交換したけども
液漏れしたバネ端子は磨いてある程度は落ちたものの、見た目が悪かったので交換してましたが、一応あれでも使用はできる状態のものでした。
金属のキラッとした光沢がある程度あれば通電できるので、見た目はあんな感じでも使えちゃうんですよね。
私は別のパーツ取りで得ていたバネ端子があったので交換していましたが、もし同じサイズのバネ端子を持っていない・手に入らないという場合は、あの見た目でもまた使用するのもアリです。
ただ表面をかなり削ってしまっているため、先程も紹介した接点復活スプレーなどで保護してあげないと、また近いうちに錆びが進行してしまう可能性はあるので、その点は注意した方がいいかなと思います。
まとめ
液漏れによるジャンク品の修理は、いつか動画にしてみたいと思っていたので今回それが叶いました。
しかし後で動画を見直すと、撮影や編集はもう少しうまく出来たんじゃないかと思う所は色々あったりもして。納得のいくものを作るのは難しいですね。
今回のはアンパンマン玩具でしたが、修理方法としては他の玩具にも応用できるものなので、ご参考いただければと思います。
アンパンマンの自販機はリニューアルされながら、長年販売されている人気のおもちゃです。ミニサイズのもありますが、この大きいサイズのが欲しいと思っていたので、修理も兼ねて入手ができて良かったです。