娘を出産した時の話です。
娘は黄疸での検査数値が高かったので、治療で入院が延びて、私より後に退院しました。
新生児黄疸と呼ばれるものですが、これがどういったものなのか、またその時に受けた光線療法とはどんなものかを書いてみたいと思います。
目次
新生児黄疸とは何か
新生児黄疸とは、赤ちゃんの皮膚や粘膜、白目などが黄色く見える状態のことを言います。
この原因は血液中のビリルビン値が高いためですが、赤ちゃんのほとんどに生理的黄疸が見られるため、黄疸=危険とすぐに判断するものではありません。
ですが黄疸が非常に強い場合、脳にビリルビンが沈着する可能性があるため危険とされています。
生理的黄疸とは何か
日本人の赤ちゃんの9割近くは生後2~5日頃から黄疸がでやすいそうです。
胎児の頃は少量の酸素を有効活用するために、赤血球が大量に必要になりますが、産まれてからは自力で呼吸して酸素を取り入れるため、赤血球は胎児の頃程も必要でなくなります。
そこで不要な赤血球は破壊され、赤血球内のビリルビンが出てくるわけです。
でも生後まもないうちはビリルビンを処理する肝臓の働きも未熟なため、一時的のその数値が高くなります。
これが生理的黄疸で、生後1週間をピークに徐々に減少していくとされています。
黄疸が強いと危険な理由
新生児は脳を守るためのバリア機能の働きも未熟なため、ビリルビンが多すぎると、それらが脳に入ってきてしまい沈着していまいます。
沈着してしまうと中枢神経が侵されて核黄疸を起こし、脳に後遺症が残ったり、命が危険になる可能性もでてきます。
なのでそれらを防ぐためにも、現時点で体に異常は出ていなくても、治療を行う必要があるわけです。
光線療法が一般的に実施されやすいですが、それでも数値が下がらない重症の場合、交換輸血といって赤ちゃんの血液を入れ替える方法が取られたりするようです。
光線療法の様子
保育器の中で紫外線
私が入院していた産院では、通常よりも厳しい基準を設けてくれていたこともあり、黄疸での数値はだいぶ慎重に見てくれていました。
退院できるか延びるかは、数値的にはだいぶギリギリで、結果としては入院4日目から治療開始ということになりました。
こちらは娘の様子を見に行った時の様子です。助産師さんが、その時だけ紫外線をOFFにしてくれました。
ミルクを飲ませてもらった後のようで、お腹が上下に大きく動きながら、すやすや眠っていました。目がガードされているのは、紫外線から守るためです。
保育器に手を入れて少しだけ娘に触れてみましたが、保育器の中はとても温かく、娘もリラックスした様子で安心しました。
通常は青いライトが点いているので、下記の写真のような状態となります。
これは私が加工したものですが、こんな感じで保育器全体がブルーになっていました。
この状態で、24時間紫外線を浴びて治療をしていました。
ビリルビンはこの紫外線によって水溶性に変わり、おしっこや便となって体外に排出されやすくなります。なのでミルクをたくさん飲んで、どんどん排出していく方がいいんですよね。
母乳は与えられない
光線療法が始まると、母乳は与えられなくなります。
というのも、母乳が原因で黄疸が起きるという生理的黄疸もあるからです。
母乳だけ飲んでいる赤ちゃんも黄疸が1ヶ月過ぎまで続く赤ちゃんもあるようですが、その頃には脳のバリア機能も完成しているので、ビリルビンの値が多少高くても核黄疸の心配はないそうです。
光線療法では経過が順調かを判断するためにも、母乳を与えるのをストップして様子を見ることになります。
そうなると胸が張ってきてとても痛くなるので、自分でマッサージをして搾りだすか、搾乳機を使って出すことが必要となります。
私は娘が黄疸で入院が延びるとわかった時に、急いで搾乳機をネットで注文して、退院後に使ったりしていました。入院中は産院から搾乳機を貸してもらえたので、それで数時間ごとに母乳を出していました。
光線療法の場合、胸が張ってきて辛いのでその点は注意してください。
娘の数値が下がって
光線療法後、娘のビリルビンの数値は下がってくれたので、私の2日後に退院できました。
実は退院前日にも産院には訪れていました。ミルクを与えに来て下さいと言われていたからなのですが、娘に会いに行くと、他の赤ちゃんが光線療法を受けているのを見かけました。
娘は24時間後に数値を見て、その翌日にまた数値をチェックして、ようやく退院できました。念入りに検査してもらえる方が心配事もなくて安心ですね。
こちらは退院後1週間以内の写真です。
この頃は顔がまだ黄色っぽいですが、月日が経つにつれて段々と黄色が抜けていきました。
母の話によると、私が産まれた時も黄疸が出ていたので、私だけ退院が延びたようです。なので親子揃って黄疸が出ていたんですよね。
娘は顔は夫に似ているけど、そういう所?は私と似ているのかな。
まとめ
黄疸による光線療法を受けると聞くと、親としては最初は不安になるかもしれません。特に第一子の場合は、何もかもが初めてだから余計に…。
ですが治療は保育器の中で紫外線を浴びるという方法で、痛みを伴うものではありません。
ほとんどの場合、光線療法後は普通に退院できますので、過度に心配する必要はないかと思います。