着物整理の話で、成人式の振袖だけ別で載せる話をしていましたので、そのことについて語りたいなと思います。
前回の記事はこちらです。
目次
振袖は買ってもらった
前回の記事で書いていましたが、父は親戚の呉服店で働いていました。
私の成人式が近付いた時、自宅に届く数社の着物のDMを眺めてレンタルも考えたのですが、両親は私に振袖を買ってくれる話をしてくれました。
着物は高いし色々揃えるのも結構すると考えると、成人式のためにそこまで出してもらうのも…と思いましたが、両親は振袖の費用を用意してくれていたので、結局一式買ってもらうことになりました。
赤い振袖と金色の帯
私が成人式で着たのはこの赤色の振袖でした。
父の店で振袖の反物が並ぶと聞いて母と行ったのですが、私の希望する反物を父が予め探して用意してくれていました。
私の希望したのは“赤色の生地・金色の刺繍・(出来れば絞り)”があるものでした。
買ってもらうことを悩んでいたわりには、高そうなものを希望してますね…。
用意してくれた反物は、赤い生地に絞り入っていて、金色の毬と花の刺繍がありました。
これを一目見て「お父さんこういうのが欲しかったの!」と興奮して喜んだのを、今もよく覚えています。
その後、採寸をしてもらい、帯や小物類も見て周りました。
帯も赤に映えるよう金色のものを選びました。黒も入っているので締まってカッコよく見えたのが気に入りました。
バッグや草履なども揃えて、振袖を仕立てて貰うのを楽しみにしてましたね。
親戚の方の優しさで、ほぼ原価で購入させてもらえたと後で父から聞きました。とても感謝しています。
その後、妹も振袖一式を用意してもらい、それぞれ好みの振袖を買ってもらえたのは有難いことだなと改めて思いました。
振袖は私は専門学校の卒業式、妹は大学の卒業式でも着用しました。互いに高校の卒業式で袴は着ていて、振袖を着れる機会は限られているので、また着たいなと。
気に入っている振袖を、2度着用できて良かったです。
振袖と父と
父が入院中のこと
父が亡くなる少し前、私も妹も花嫁姿を見せられなかったことを悔やみましたが「お前らの振袖姿を見れただけでも良かった」と父は話してくれました。
母も、父が振袖を用意したいというのはずっと心にあったから叶えられて良かったのではないかと、後程話してくれました。
親バカだった父
父の遺品を整理していたら、財布には私と妹が小学生か幼稚園ぐらいの頃の写真が1枚と、振袖姿を写真館で撮影したものが姉妹1枚ずつ入っていました。
その写真館のはアルバムが仕上がる前のサンプル品、ラミネート加工の小さな写真のことです。私はちらっと確認だけして要らないかなと思ったのですが、父が「これ良いやん」と欲しがったので、父にあげました。
後日、父は外回りでお客さんのところに回っていた時に、その振袖姿を見せながらよく話をしていたと言うので、「めっちゃ親バカやん。恥ずかしいからやめてや」と家族で笑いながら話をしていましたね。
財布から出てきた写真を見て、改めて父に愛されていたことを思うと寂しくなりました。
9月のお彼岸
父の仏壇に供える花と和菓子を買いました。彼岸入りして明日は中日ですね。
ピンクが少し濃いので黄色にすれば良かったかなと若干後悔しましたが、とりあえず母に綺麗に花瓶に飾ってもらうため、日中買ってきて実家で桶に浸しておきました。
本当は彼岸入りの前に花を買うべきかもしれませんが、枯れやすいので少しズラして購入しました。切り花を長持ちさせる液を買った方が良いかもしれませんね。
父と過ごした日々を時折思い出しながら、これからも過ごしていきたいです。